おつきさま

藍色の空に佇んでいた中秋の名月はコンパスでクルっと回転されたように丸く、スポットライトを浴びたように大袈裟に輝いていて、なんだか下品に感じた。私の中で月は大人しく淡い光を放って“陰”の役割を担うものだと思っている。だから、それに逸脱しすぎて…

両手を広げて

幼い頃にたのしかった?と聞かれて両手をできるだけ大きく伸ばして「このくらいたのしかった!」と言った記憶がある。あの時は怖いものもなければ疑うこともせずに目の前にある物を小さな目と大きな心で楽しんでいた。ただ、あの時の出来事は何かもが鮮やか…

幼なじみ

俺はずっとお前のことが嫌いだった。 物心ついたときから俺はお前の横にずっといた。幼稚園に行く時も、送迎バスの中でも、かくれんぼしている時でも。お前にはお前の正義があって、それを絶対に譲ることは無かった。ダイアモンドパールの秘伝技の中にダイビ…

こけこっこー

まず、前提に今から綴る内容は全て嘘偽りのない話である。確かに信じにくく、まだカボチャの馬車に乗って舞踏会に出かけてきた、とか言った方が信憑性があるとは思うが、それでも嘘偽りはないと信じてほしい。 昔の偉い人は言った「事実は小説より奇なり」と…

17歳

人生で1度しかない“高校二年生”が終わろうとしている。 17歳。青春。 ハッキリといって私の17歳は失敗だったと思う。私は幻の至宝と言われる「薔薇色のキャンパスライフ」を掴み取ることが出来なかった。 では、なぜ掴み取るが出来なかったのか。一部始終を…

こじつけ

NGT48単独コンサート~未来はどこまで青空なのか?~の感想の殴り書きです。 ①荻野由佳ちゃんは偉い。 荻野由佳ちゃんには華があると今回のコンサートを見てつくづく思った。 荻野由佳ちゃんが“苦労人”というのは言われ過ぎていてもう説明はいらないかもしれ…

シンデレラ

2017年は色々なものを得て色々なものを失った。 好きな人ができた。好きな人の好きな人にはなれなかった。好きと言ってくれる子ができた。その子を好きにはなれなかった。二度入院をした。軽いうつ病と診断された。修学旅行に行けなかった。単位を落とした。…

先輩

僕が同じ部活の先輩を好きになったのは日が沈むのが早くなりまだ18時なのに真っ暗になった日のことだ。僕の心の中に好きという感情が芽生えたのは生まれて2回目のことだった。顔はわりとどこにでもいるような感じだ。目が特別に大きいとか顔のバランスが整…

シャトルラン

走るのが早くてモテていたのはいつまでだっただろう。僕はいつも足が遅かった。小学生のころ、みんなが憧れるリレーの選手になれることは1度もなかった。リレ選だりぃ~って言ってたヤツを指をくわえて眺めることしか出来ていなかった。 僕には中学時代、彼…