殺したい

 

人を1人だけ殺せる権利を得ることが出来たら、一体誰を殺すだろうか。

 

嫌いな人、憎い人、ウザい人、など色々な答えがあるだろう。

 

僕は、自分の1番大切な人を殺したい。

自分の大切な人が死んだ世界はどんな世界なのか、僕は知りたい。

 

僕の大切な人が死んでも、太陽は東から昇って西に沈むし、全力でダッシュしたら息は切れるし、夜にはお腹がすくだろう。

でも、大切な人が死んだ世界で僕はそのことに気づけるだろうか。

 

太陽が東から昇って西に沈むことに。
全力でダッシュしたら息が切れることに。
夜になったらお腹が空くことに。

 


人は1人では生きてはいけないことをぼっちの僕はよく知っている。

 

他人の誰かを支え、支えられ、気づいたらその他人が他人ではなくなり自分の大切な人に変わっていく。

 

喧嘩をし、傷つき傷つけあい、それでも人を愛し、人に愛され育っていく。

 

気づけば心の隅には君がいて、寝ても覚めても君を想い、手を繋ぎ、口づけをし、0.05ミリの隔たりを無くし、身体を重ね、心を重ね、2人の時間を過ごして行くだろう。

どれだけ、考えても君が死んだ世界は想像ができない。

 

君が死んだ世界で、美味しくご飯を食べることはできるだろうか。
あったかいお風呂に入り心を癒すことはできるだろうか。
好きなラジオを聞き笑うことはできるだろうか。


僕にはわからない。

 


なぜなら、君がまだ生きてるからだ。

 


僕は殺したい。

 


1番大切な君を。