シンデレラ

2017年は色々なものを得て色々なものを失った。

好きな人ができた。好きな人の好きな人にはなれなかった。好きと言ってくれる子ができた。その子を好きにはなれなかった。二度入院をした。軽いうつ病と診断された。修学旅行に行けなかった。単位を落とした。この人のアイドル人生をずっとずっと見ていたい。そう思える推しメンが出来た。結局、名前を知ることも出来ずに僕の前から消えてしまった推しメンも出来た。

 

それとNGT48というグループに出会った。
きっかけはCMだった。


「チクタクチクタク 知らぬ間に時計は刻んでる 輝きながら過ぎて行く日々 いつかこの日を思うのだろうか? 」


どうやらこの曲はNGT48の1stシングルらしい。爽やかなメロディーに有益なことをひとつもせず堕落に富んだ日々を無計画に無感情に過ごしている僕に痛いくらい刺さる歌詞。
僕の胸に響いた。


NGT48のことが好きになった。

NGT48のことを調べていくごとにNGT48のことが好きになった。
NGT48のことを調べていくごとに中井りかのことが嫌いになっていった。

 

「アンチとか気にしないしむしろ私に興味あるんじゃんw」みたいなスタンスをとるアイドルが僕は苦手。どこにいるのかわからない人より目の前に確かに居るファンに目を向けて欲しいと思うし斜に構えた態度をとるのが苦手だ。

 

苦手な理由をあげるとペットボトルのコーラの中にメントスを入れたように止まることなく溢れ出てしまうのでこの辺でやめるが他にも沢山ある。

 

2018年1月6日 16:15:58僕はNGT48 2nd「世界はどこまで青空なのか?」全国握手会 幕張メッセ 8番レーン、中井りか 山田野絵レーンにいた。

 

俺の中にも武士道というか正義というものがあり、インターネットで中井りかを叩き続けるのは卑怯な気がしていた。だから直接、俺はお前が嫌いだ。という事を直接言いに来た。それが道徳的に良いことか悪いことか、火を見るより明らかである。それでも、男にはやらねばならぬときがある。それが“今”だったのだ。

1歩、また1歩とレーンに近づくごとに心臓のBPMが高くなっていく。滲んでいく掌。「こんなこと、やめようよ!」と訴え掛けてくる俺の道徳心。“自分に正直に俺は生きたい” どこかで聞いたことのあるフレーズを口ずさみ受付嬢に券を渡す。

 

レーンの中に入ると小柄な僕よりもひと回りとふた回りも小さく華奢で、どこか何かから怯え震えているウサギのようでどこかもっともっと私を見てと主張している孔雀のようで触れたら壊れてしまいそうな様子で佇む女性...女の子がいた。

 

この女の子が僕の嫌い人だと認識するまで3分(実際は0.5秒)かかった。

僕の中で何かが壊れた音がした。

 

“目と目が合った瞬間こうなる運命だった”

 

「姫......」僕の抑えきれない心の一部が口から漏れ空気を振動させて言葉となり彼女のもとへ届いた。

 

“涙をいくつ乗り越えればいいの?”

 

『なぁに?』彼女はギュッと僕の手と心を握ったまま首を傾げた。

 

“人を好きになるって切なく辛いものね”


「...」そこから言葉を作り出すことは出来なかった。何も言えなかった。

 

“あの日からあなたにLOVE修行”

 

彼女は手を離した。お別れの時間がやってきた。ファンとアイドルはシンデレラのように魔法のかかる時間というものがある。魔法が消えたあと王子様はシンデレラを探した。そして再び会えた。平成30年の日本で同様の行為を行うとストーカー規制法といい2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される。
もう、僕と姫は会えないかもしれない。そう思った時
『またね 』と彼女は言った。

そうだ僕たちアイドルとヲタクはシンデレラと王子様の関係ではない。握手券さえあればいつだって会える。

中井りか失礼、姫はヲタクとしての大事なこと、大切なこと。“初心”というものを思い出させてくれた。

 

2018年はNGT48、姫こと中井りかで行く。

 

 

 

 

 

 

 


mayo_9_8「初夢でサメが出て驚いて夢から覚め(サメ)ちゃった!w」
山田野絵「......」
mayo_9_8「...」
山田野絵「......www(ちょっとヘラヘラする)」
mayo_9_8「...」
剥がし オジカンデェ-ス
山田野絵「wじゃwあwwねwww(大爆笑)」


mayo_9_8VS山田野絵。
mayo_9_8圧勝。