✌️

大学生になってから夜が深くなった頃に出歩くことに罪悪感がなくなりよく散歩をするようになった。春は寒くてあまり散歩をしなかったけど夏になってから頻繁に出歩くようになった。風には匂いがある。匂いは記憶だと思う。夏の風を嗅ぐと思い出すことがたくさんある。

高校二年生の夏に時に付き合ってた彼女がいた。お互いに部活が忙しく会うのは夜になってからだった。私は当時、他に好きな人がいてフラれた直後に彼女から告白され、彼女と向き合ったら忘れられるかなと思って快諾した。全く忘れることなんて出来なかった。20時に彼女の最寄り駅で待ち合わせをした。南口に。高校生だしバイトもしてないしアイドルに捧げてたからお金なんかなかった。大抵、二人で散歩しながら喋ってた。今日の出来事や昔話ばかりしていて未来の話なんて全くしてなかった。彼女もこの付き合いが長続きしないことを察していたのかな。彼女の母校の小学校のブランコに座ってなんどもくちびるを重ねた。不思議なものでくちびるを重ねると相手の気持ちが少しだけわかる。彼女から伝わってくる気持ちに応えることも応える気にもなれないことが辛かった。夏が終わってすぐに別れた。夏が終わるまで待ったのはなんでなんだろう。最後の最後まで好きになれること期待していたのかな。重ねたくちびるから伝わる愛を受け取れなかったのに好きになれるわけなんてなかったのに。

高校三年生の夏はTinderで出会ったらキャバ嬢とほぼ毎日会っていた。受験生だから夏期講習に行き終わったら家に帰らず彼女の家に向かった。23時半に彼女の住むアパートに着く。彼女は仕事に行ってるから当然いるわけもなくポストに入った鍵を使って家に入り彼女の帰宅を待った。今では長く感じる夜もあの時は一瞬とまでは言えないけど明けるのは早く感じた。5時半に彼女が帰ると香水の強い匂いがするのに7時半に帰ってくるとシャンプーの匂いがした。毎日毎日、本当に毎日会っていたのに一回もセックスはしなかった。しなかったことに不自然さを感じたり後悔を感じたりはしてない。少なくとも私は。

夏期講習が終わっていつものように彼女のアパートを訪ねた。13段の階段を登って203号室のポストを開けると鍵はなかった。部屋の電気がついていた。ドアを開けた。彼女がいた。仕事は?今日はおやすみ。そうなんだ珍しいね。お風呂借りていい?夜なのにまだ全然暑いね。お風呂は待って。出掛けようよ。いいけど。何かアテがあるの?星見たい。県民の森行こうよ。県民の森って遠くない?w自転車で行けばすぐだよ。自転車なんか持ってたっけ?持ってるよ。隣のババアが。なるほどね。

意外と遠かった。汗かいちゃった。キャミになっていいかな。キャミならギリギリ公然わいせつにはならないんじゃない?ラッキー。でも、虫とかに刺されそうだよね。そっか。痒いのは嫌だから大人しく着ておきます。賢いね。

彼女はリュックの中からレジャーシートを出して床に敷き寝っ転がるように言った。彼女と会わなくなった一週間後からなんとなくネットフリックスで「化物語」を見始めたら涙が止まらなくなった。これはまた別の話。なんかごちゃごちゃしてきたしこの話はやめよう。

自分の中で溢れた気持ちや考え事をなんとなく文にしてまとめものを基本的にこのブログにぶち込んでる。過去のやつを見るとオンナの話ばっかしてる。どうかしてると思う。もっと面白い話が書きたい。猫がプロボクサーを目指して修行する話とかニューヨークに住むティーンエイジャーが蜘蛛に噛まれて手から蜘蛛の糸が出るようになった話とか。後者のやつはなんか聞いたことある気がする。 

どこもかしこも祭りが開催されていて浴衣を着た女性をよく見る。好きな女の子に簪をプレゼントしたことがある。彼女が好きと言ってたかすみ草の。気に入ってくれるかなと思って買ったけど私ごときのセンスで選んだプレゼントを気に入ってくれるわけないと思う。浴衣を召した女性を見るたびにゴミを押し付けた罪悪感で死にたくなる。ここ最近、自分が生きる価値のないゴミで遺伝子を残してはならない劣等種ということを忘れてのうのうと楽しく生きようとしている自分に気づく。それでも死ぬのは怖い。だから殺してくれと思い続けてる。道を歩いてる時。後ろから飲酒した人間の乗ってるクルマに轢かれないかなとか。電車に乗ってる時。脱線して私だけが死なないかなとか。街に出た時。狂った無差別殺人をしようとしている人に刺されないかなとか。この辺の死に方だったら裁判でお金をたんまり勝ち取れると思うし残された家族もそのお金で悠々自適な生活が遅れると思う。あと、私の借りてる奨学金は借りてる人が死んだら返済義務がなくなるので正当に踏み倒しができる。やっぱり死んじゃった方がいいことばっかじゃん。老後は2000万ないと無理っぽいし。もう何の話か忘れちゃった。明日は握手会だ。好きなアイドルに会えるの楽しみだな。私なんかに好きと言われてしまうアイドルも可哀想になってきた。なんかもう。生きるのが疲れた。