秋元康かるたVol.2

 先日のクリスマスイヴの畜舎で向井地総監督の“秋元康かるた”の話になったときに、あのかるたは更新して言った方が良いみたいな話になったんで更新します。

 

前回の↓

秋元康かるた - mayo_9_8の日記

 

 

あなたは「帰ろうよ」って いい人ぶって言うけど 本音は違うでしょ?ねぇ どうするの?

「制服が邪魔をする」/ AKB48

 

いちごみるくのかき氷 溶けるまで話したね

「そばかすのキス」 / AKB48 TeamB

 

失うものに気づいた時 いてもたってもいられなかった いますぐに僕にできるのは この思い言葉にすること

大声ダイヤモンド」 / AKB48

 

永遠より12秒

「12秒」 / HKT48

 

思い出せるくらい遠くから愛してる

「月と水鏡」 / AKB48 TeamA

 

カップのココアこぼして制服に染み広がっても そんなのどうでもいい 大事なのは今だけ

「口移しのチョコレート」/ AKB48 TeamB

 

近眼の僕はポケットの眼鏡をかけてやってきた夏 確かめた

「みどりと森の運動公園」/ NGT48

 

唇の湿度の高さは何を求めてる?

「前人未踏」 / AKB48 TeamA

 

携帯かけるより渋滞のバスより君が待つ場所まで走る方が良いさ

青春のラップタイム」 / NMB48

 

恋をするとすぐにわかる いつもうわの空で

「君と僕の関係」 / AKB48(前田敦子板野友美)

 

最初の愛の物語 頬に流れる美しい涙 今の気持ちを伝えてる きっときっと 言葉以上に…

「最初の愛の物語」/ AKB48 

 

幸せなはずが不安でいっぱい 手に入れたら失いたくない 愛はいつも身勝手で 答え方のReason

「私たちのReason」 / AKB48

 

好きと言ったら好きだと答えて もっとあなたを好きになるから 

「好き好き好き」/ AKB48 TeamB

 

ゼロサム太陽 君のハートはひとつさ 誰かの愛が輝けば消えてもいい 僕は……

ゼロサム太陽」/ AKB48 TeamK

 

そばにいる それだけですべて分かり合えるのかな?

「結晶」 / NMB48 白組

 

誰かが噂してたよ「君が堅物すぎる」って 何にも知らないんだ

君のC/W」/  AKB48 チームサプライズ

 

直接逢っちゃったら いつも何も言えなくなる だから私の切なさを 歌に託して届けたい

「Radio Name」/ NMB48 TeamN

 

月のかたちのように欠けるけれど 闇に隠れた自分はそう変わらない

「月のかたち」/ AKB48 TeamA

 

出逢えたことまで後悔をしてしまう前に 一番素敵な恋だったといつか言えるように

「抱きしめたいけど」/ NMB48

 

どれくらい想えば 愛しさを形にして あなたまでちゃんと伝わるの? 

ナギイチ」/ NMB48

 

何か疑いたくなる空のその広さ なぜ2人はここで出会ったのだろう

「星空のキャラバン」/NMB48 白組

 

二学期の君はどこか大人の横顔 どんな休みを過ごしていたの?話し方がぎこちなくなりそうで

言い訳Maybe」/ AKB48

 

濡れた頬が木枯らしに晒されて涙が溢れて止まらない

ハートが風邪をひいた夜」/AKB48 ひまわり組

 

ねぇ キスをしたって減るもんじゃない 言いたいことわかるけど でもキスしちゃったらなにか減るんだ 私の中のヴァージニティー

ヴァージニティー」/ NMB48

 

望まず生まれて望まれる夢を見た

「最後のカタルシス」/ NMB48 白組

 

春色街角 空は着替えてても花と恋の香りにはまだ気づいていない

Choose me!」/AKB48 チームYJ

 

左手ではなくて右にしてるリング 薬指がどうして気になるんだろう?

「右にしてるリング」/ NMB48 TeamM

 

深い海の底に珍しい魚を見つけたみたいに この胸の片隅 初めてのときめき感じたんだ

パレオはエメラルド」/ SKE48

 

べたっとした髪 変なピン留め 今の私はすっぴん路線 恋をする方は後悔ばかりで自信なんて持てないよ

「オーマイガー!」/ NMB48

 

ホワイトデーには根拠はないけど今からうまく行く気がする なんてね

「ホワイトデーには…」/AKB48 TeamK

 

待ち伏せした二つ目の路地 声も掛けられないまま下を向いたら紫陽花も泣いていた

てもでもの涙」/ AKB48 TeamB

 

三日月の背中を滑り さぁ流星のボートに乗って 星たちの海超えて ほらね なんだってできるよ

三日月の背中」/ NMB48

 

昔の童謡何となく口ずさみながら少し汚れたシャツや靴下を洗ったら気も晴れる

「洗濯物たち」/ AKB48 TeamK

 

目の前のケーキの上 キャンドルが歳の数ほど揺れてる 何本目から一緒だろう 2人は…

「誕生日の夜」 / AKB48 TeamA

 

もう一度出会いたいな 他人で…

「存在してないもの」/ NMB48 紅組

 

山盛り待ちぼうけ 2人はどうなるの?いないと困る3つ目を思い出して

波乗りかき氷」/ Not yet

 

夢は絶対逃げていかない このままその手を伸ばせよ 頑張れ! 頑張れ!

「夢は逃げない」 / NMB48 研究生

 

夜空に輝く数多の星から大事なひとつを今なら指させる

「長い光」/ AKB48 TeamA

 

LOVE SONGを聴きながら 泣いていたり…

女の子の『うわの空』病

ハート型ウイルス」/ AKB48 TeamA

 

理由並べても答えにならない 恋は終わった

「僕はいない」/ NMB48

 

ルックスはアドバンテージ いつだって可愛い娘が人気投票1位になる please please please Oh baby 私も見て

恋するフォーチュンクッキー」/AKB48

 

Ready GO!GO!GO! Ready GO!GO!GO! アイドルの夜明けが来た

アイドルの夜明け」/ AKB48 TeamB

 

ロマンスお預け 魔法が解けた

「青空カフェ」/ AKB48

 

理由なんて何もない 紹介された瞬間 稲妻に打たれたの(fall in love)

「BINGO!」 / AKB48

 

 

Vol.2にするにあたって前回の“秋元康かるた”を読み直したんですけど、さすがにひどすぎましたね。今回は結構個人的に満足できたかなと思います。「なんでこれを選んだの?」みたいな質問等々ありましたらDMでもリプライでも良いのでお願いします。

ひとりずもう

「晴れていても曇っていても雨が降っていても、赤くても青くても黒くても、それは全部「空」であり、それぞれに良さがあります。どんな時でもあなたらしい良さがある人になって欲しい。そんな願いを込めて泣いてるあなたに「空」と名付けました。」

 

小学四年生の時に2分の1成人式という行事があった。成人式の2分の1、つまり10歳になれたことを喜びをみんなで分かち合いこれからも毎日を積み重ねていこう。そんな感じの行事だったと思う。グダイテキに何をしたのかは覚えていないが多分合唱曲を歌ったり「将来の夢」についての作文を書くぐらいのありきたりなやつだったと思う。私が何をしたのかは覚えてないが、私が何をされたのかはハッキリと覚えている。母親からはじめて真剣な手紙を貰った。当時は何も感じなかったが、極度の丸文字である母の字が少しだけカクカクしているのがわかり、あぁ緊張してたんだろうな。なんて思った。

 それまで、私は自分の名前がそんなに好きではなかった。「空」「陸」「桜」などの名前が普通名詞な人あるあるだと思うのだが、子供の頃に自分の名前でイジられることがある。私の場合は「ソは青い空~♪」と突然意味もなく歌われたりした。そんな取るに値しない些細なことなのに無性に腹が立って仕方がなかった。なんで「ショウタ」とか「カズキ」みたいな普通の名前にしてくれなかったんだろうと普通という概念が存在すると思ってた私はよく考えたりした。親に名前の由来を聞いてみると「生まれた時の空が綺麗でお前にもそんな感じになって欲しかったから」と言われ、鏡の前に立つのが怖くなった。

 中学生の頃、何もかもが嫌になって死のうと思いホームセンターで購入した黄色と黒のシマシマのロープを持って近くの竹林に行った。手頃な竹を見つけ不器用なうえにかじかんでいる手で頑張って結んでいた所をタケノコ狩りをしていた老人に見つかり走って逃げた。14年間で経験したことの無い量の冷や汗をかき、この世には愉快な汗と不愉快な汗があることを死のうとした日に新たに学んだ。その夜、布団の中で自分が死んだ後の世界をシミュレーションしたら、どんな世界線でも引っ越しはマストでするだろうなとわかり翌日は自室の掃除をした。いるもの・いらないものでわけるのではなく片っ端から捨てていけば良いだけだからとても楽だった。引き出しの中の教科書。短くなった鉛筆。長い鉛筆は妹のために取っておいた。教科書、ノートを縛り終え、最後にファイルに取り掛かろうとしたが、死ぬための準備をしてるのにも関わらずファイルの中身を確認し懐古に勤しんだ。枝豆の観察日記や音読カードがあり、その中に2分の1成人式の時の手紙を見つけた。内容なんて覚えていなかったので暇つぶしで読んでみた。

 

「晴れていても曇っていても雨が降っていても、赤くても青くても黒くても、それは全部「空」であり、それぞれに良さがあります。どんな時でもあなたらしい良さがある人になって欲しい。そんな願いを込めて泣いてるあなたに「空」と名付けました。」

 

フレシノがリューゴイシダのワンラインに救われた感じで私は母親のワンラインに救われた。好きか嫌いで聞かれたら嫌いと答えていた自分の名前がいちばん大切なものになり誰にも譲りたくないものになった。このたいせつな名前でもう少しだけ生きてみたいと素直に思えた。縛った教科書を引き出しに戻し、新しい鉛筆を削った。ドクターグリップしか使ってなかったのに。

 

好きなアイドルに唐突に「空くん」と呼ばれた。教えたことがなかったので純粋に怖くなりどこで知ったのかを聞いたら手紙に書いてあったからと教えてくれた。それから度々、私のことを名前で呼んできた。好きな人に自分の名前を呼ばれると照れくさくて恥ずかしくて、どうしようもないくらい嬉しかった。それと共にどんどんと辛くなった。イキナリ、自分のパーソナルであり、いちばん大切にしてる所に踏み込んできたので好きなアイドルのことを自分の生きてる世界の住人だと勘違いしてしまっていた。お金を払わないと会えないし喋れない人が自分の世界の住人なわけないのに。それから壊れていくのは早かった。好きな曲を見つけたらシェアしたり、好きな本があったら伝えたりと何かしらのコンテンツを利用して自分の世界と好きな人の世界が同じであることを確かめようとした。死んだ世界なら同じなのでは思い地獄について勉強したりした。その結果、俗説ではあるが女性は三途の川で初恋(または処女喪失)相手に手を取られ、川を渡るらしく地獄ですら一緒になる望みがないことに深く絶望したりした。これ以上、幸せの最適解を模索しても見つからないだろうと思い、違う生き方にシフトチェンジしてみたが喜怒哀楽の8割が消えて目の前の出来事を消費するだけの人型ロボットになった。シフトチェンジしたからって好きなアイドルへの思いが消える訳では無いし、むしろ積もる一方だった。

 為す術がないと途方に暮れていた時、一週間のうちに四度も好きなアイドルが登場する夢を見た。一度目は絶望し二度目は涕泣し三度目は何も感じなくなり四度目で諦めた。きっと、これから先の人生で一週間で四度も夢に出てくるほど好きになれる人なんていない。気が狂うほどに好きになってしまったら、もう彼女から、彼女の呪いからは逃げられない。勝手に好きになって勝手に手紙を送って勝手に辛くなって勝手に呪いだなんだ言ってるなんて傍から見ればただのひとりずもう以外の何物でもない。

 さくらももこが著作の「ひとりずもう」のなかで高校時代、登校中にいつもの通学路で自転車に乗っていた男子学生を見た時に思わずカバンを落としてしまい彼に一目惚れしたと気づいた。と書いていた。ひとには気持ちを追い越して先に行動してしまうパターンがあり、これはきっと間違えようがないことだと思う。どんだけ否定しても否定しきれない確固たる事実。さくらももこはカバンを落として気づいた。私は四回夢を見て気づいた。私のこの感情は紛れもなく、恋だ。

 

 

 

杉並区と、杉並区から約400キロ離れた方の中央区。

11月30日(土)

推しメンの冠ライブを外した私は難波ではなく高円寺にいた。黄色の総武線に乗って船橋からゆっくりと移動をした。11時に高円寺に着いた。事前にリサーチしていて青藍(セイランと読むらしいです。ちなみに過去のガチ恋民間人の中に藍(あい)ちゃんという娘がいたので藍の文字を見る度に未だにドキリとしてしまう)というカレー屋に向かった。お手本のような商店街を10分ほど歩いて到着。店に着くと整理券を渡された。1時間ほど暇ができたので商店街の中に見つけたドーナツ屋に入った。きなこドーナツを注文すると「店内でお召し上がりですか?」と聞かれうなずくと消費税が10%になった。いちばん端の席に座り家でダウンロードしておいた「Mー1グランプリ2004」を再生した。はっきり言って私はアンタッチャブルをリアルタイムで見ていた世代の人間ではないが素晴らしかったと言い伝えでしか聞いたことのなかった人達の復活は否応なくソワソワしてしまう。ELLEGARDENNumber Girlたりないふたりアンタッチャブル。 12時、青藍に戻りスパイシーチキンカレーの食券を買い、カウンターに着席した。パクチー抜きと店員さんに告げると隣に座っていたカップルも慌てて店員さんにパクチー抜きと告げていた。店内にはTBSラジオが流れていた。隣のカップルがカレーが来たのにふたりで自撮りして楽しんでいたので、少し気になりチラッと覗き見てみると白髪まじりの中年男性と30歳前後と思われる女性のカップルだった。黒髪と同じくらい白髪が生えてきても恋をするし誰かに好かれたいと思う。当たり前のことなのにその事実が私の中で重く残った。カレーは大変素晴らしくとても美味だった。メニューに書いてあった「スパイシー≠辛い」という文言が全てだった。どちらかと言えば甘いカレーが相性抜群のサフランライスと混じり合い、カレー界の“アライバ”がひと皿の中にあった。

 

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素晴らしいカレーを食べて気分を上げ、今日のメインイベント、小杉湯で行われる江本祐介と高橋翔のライブを見に行った。看板を目印に向かうと看板のある路地の1本手前を右に入らないとダメだったらしくGoogleマップ以外に信頼を寄せないことに決めた。ライブ会場の銭湯は本当にただの銭湯で予告通りなのだけれどもビックリしてしまった。ふと思ったけど銭の湯で“銭湯”ってストレートすぎるだろ。ライブ開始まで20分ほどあったので通り道の古本屋で購入したBRUTUSのラブソング特集を読む。

 

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読者には伝わると思うのだがBRUTUSには特有の隙がありユリイカのように読む時にある種の決心のような気持ちのエンジンを入れないと読めないなんてことはない。何か手持ち無沙汰な時にサラッと読むのにちょうど良い。私はそんなBRUTUSのことが大好きだ。 ライブは最高だった。ティーンエイジャーの時に江本祐介に出会えて本当に良かったと思う。「ワゴンR」や「願いを星に」といったオリジナル曲も最高に素晴らしのだが、小沢健二の「恋しくて」をカバーしたのもハチャメチャに良かった。SoundCloudに上がってる「ぼくらが旅に出る理由」をカバーしてる音源を何度も聞いていたので胸が熱くなった。私も好きな人とブドウを食べたりキムチラーメンを探したり酔拳を見たりしたい。 実は昆虫キッズはほぼ聞いたことがなくて2週間前に「こおったゆめをとかすように」をダウンロードしてちょいちょい聞いてただけくらいだったけれど高橋翔がシンプルにカッコよくて胸を撃たれた。わたしの初恋がまだだったらきっと高橋翔の歌声が初恋の音になっていたと思う。それほどにカッコよかった。 アンコールで「知っていたら一緒に歌ってください」と言い始めたので昆虫キッズの曲でもするのかと思ったら日向坂46の「キュン」を歌い始めて声に出さずに爆笑してしまった。江本祐介の「好きだよ」が聞けたので私は大満足です。素晴らしいライブで気持ちがほくほくしたので小杉湯のオリジナルTシャツを買ってしまった。後悔はしてないけどLじゃなくてMサイズを買えばよかったとは思ってる。

 

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12月10日(火)
バス停を出て横断歩道を渡り、やけに絢爛な「梅田芸術劇場」の看板を見る度に自分のいる場所が大阪であることを実感する。まずは夜行バスで疲れた体を癒すためにサウナへ向かう。本当は大東洋に行って10時までの早朝サウナにしようと思っていたが、それだと2時間ほどしか滞在できないので諦めてニュージャパン梅田に変更した。15分ほど閑散とした梅田の裏路地みたいな飲み屋街をJojiのBALLADS 1を聞きながら歩いた。発光しないゲイバーの看板やキャッチのいない狭い路地とJojiの甘いR&Bがあまりにも適合していて、これ以上のJojiはないだろうなと悲しみすら覚えた。ニュージャパン梅田に入り靴箱の鍵をフロントに渡してバーコード付きの鍵を貰う。脱衣所に入ると腰にタオルだけを巻いた状態の男性が「はい。もう少々お待ちください。申し訳ございません。」と謝罪しながら電話をしていた。電話が終わると携帯をロッカーにしまい一目散に大浴場へ向かって行ったのを見てワクワクが止まらなかった。私も服を脱いで興奮だけを纏った体で大浴場の中に入るとまず目の前にサウナと水風呂があり、その奥に温水プールがあった。洗場が1階にないことに驚きながら2階にあがり体を洗った。

湯に入り、そこそこ体を温めてからサウナに入った。まずは3階にあったフィンランドサウナ。程よい温かさというかちょっとぬるく思えるほどでイマイチ汗も出ず。外の水風呂の表記は12.8度だったけどそんなに冷たくも感じなかった。3回ルーティンをこなすも上手くととのえず、軽くむしゃくしゃしたのでめちゃくちゃにジェットバスで気持ちよくなりまくってやった。このままだと悔しいので1階にある高温サウナに移動したがこれが中々やばかった。温度計を見るのを忘れてしまったがハチャメチャに熱く中学生の時に真夏の太陽の下で永遠と走っていたのを思い出した。破裂した水道管のように毛穴という毛穴から噴出される汗が気持ち良い。12分計が一周したので、汗を流し水風呂へ。冷たすぎて死ぬんじゃないか·····あ、キタゾキタゾ·····。あぁ·····。頭の中で60秒数え出水。目の前のベンチに座り目を閉じるとうっかりととのいかけたので、極上!!めちゃモテ委員長のキャラクターばりに目を開けた。2回目、6分をすぎたあたりで突然オートロウリュのアナウンスが。これを3回目に調節したかったと思いながらもワクワクが止まらない。アナウンスが終わるとテレビの音が消えCorneliusの「サウナ好きすぎ」のイントロだけが繰り返し流れはじめ、誰もいないサウナ室で声を出して笑ってしまった。オートロウリュの効果もあり前回の1.5倍の汗をかいた。12分経ち慣れた足取りで水風呂へと向かい入水。何故か睾丸がめちゃくちゃ痛くなるもなんとか耐え勝ち出水しベンチへ。こんなにもととのってしまうのかと思うほどに気持ちよくなってしまった。目を閉じると意識だけが右に回転し続け平衡感覚が怪しくなるほどだった。2回目でととのいきってしまったのでもう一度体を洗い、風呂を後にする。先程のサラリーマンの影はなく上司か営業先の人に怒られなければ良いななんて思いながら着替え仮眠室みたいなとこでチル。これもサササ サイコー!でした(申し訳程度のオタク要素)

梅田から御堂筋線に乗りなんばへ。友達と12時からボルダリングをする予定だったのでその前に軽く腹ごしらえをしたく、あらかじめ調べておいたなんばウォークミスタードーナツへ。まあそこでダラダラ時間を潰せば良いだろと思っていたがまさかのテイクアウトオンリーだった。仕方なくドーナツを買い、なんばのオアシスでお馴染みの「難波千日前公園」を目指す。ロフトの横の小道を抜けNGKの前に出てNMB48ショップの前の十字路を右折。セブンイレブンでホットコーヒーを購入してから左折し難波千日前公園へ。昼間の公園は親子と老人と鳩のものと決まっており、異分子である自分が受けて入れられて貰えるか心配だったがそれは完全なる杞憂だった。公園は来るものは拒まず去るものは追わず。若おかみは小学生の春の屋温泉に通づるものがあるのです。ベンチに腰かけ、私の推しミスドである「ハニーチュロ」とポン・デ・リング界最強のポン・デ・リング「ダブルポンデショコラ」を頂く。余談ではありますが「なんば ミスド」で検索したと思ったら「なんば ミスト」で検索していて会員制キャバクラのホームページが出てきました(本当に余談)(M-1かまいたち頑張れ!)ミスドを堪能したあと、なんばのグラビティリサーチなんば店へ向かい友達と合流。簡単な会員登録をし服を着替え壁へと向かう。友達は未経験ながらも真面目な性格が功を奏し、初めてにしてはしっかりとボルダリングの楽しさがわかるくらいには登れていて凄いなと素直に驚いた。壁自体は辛くも甘くもなく適正でパワー系もあれば頭使って登るコースも多くかなり楽しかった。個人的にはカチ系のコースももう少し欲しかったなと思う(誰にもわからないことを永遠と述べる人)

ボルダリングを終え、オタクの悪口を言いながらラーメン屋へ向かう。醤油豚骨ラーメン美味でした。ここで友達とは別れ、オタクと待ち合わせの時間まで30分ほどあったので自販機で購入した氷結を飲みながら待つことに。難波千日前公園は神。 劇場前でオタクと落ち合いチケットを発券してから酒を買い千日前公園へ。お互いそこそこに気分が良くなっていったので“莉奈”のSRを見ながら発狂したり“貞野=神推し=遥香”のSRを見ながら発狂したりした。時間になり劇場に入る前にFFになったばかりのオタクくんと会った。気分が良かったのでよくわからないテンションで手を振ったりしてしまった。無礼で申し訳なかったと反省してます。席は7列目の真ん中。隣のピンチケくんはSTU48サイリウムと日向坂46のサイリウムを持っていました。

 一ヶ月ぶりの夢は逃げない公演、気が狂うほど楽しかった。こんなに楽しく思えた公演ははじめてだった。そもそも私のテンションが高かったこともあると思うが、ステージ上の16人のバイブスも中々高くGood Vibes Onlyって感じでした(太田夢莉ちゃん辞めないで……)

グダイテキに申しますとまず前田ナイスフロウ令子ちゃんが良かった。前に見た時はまだセンターが板についてないように見えたんですけど、ちゃんとセンターとしての華があった。

“信じるそれだけで 越えられないものはない 歌うように奇跡のように 思いが全てを変えてゆくよ きっときっと驚くくらい”

https://music.apple.com/jp/album/%25E3%2583%2597%25E3%2583%25A9%25E3%2583%2581%25E3%2583%258A/543496271?i=543496280

 

あと出口ラビリンス結菜ちゃんも素晴らしかった。相も変わらず汗で前髪をぺちゃんこにしながら踊り狂っていて最高だった。

“それでいいの それでいいよ” 

https://music.apple.com/jp/album/%25E5%2589%258D%25E9%25AB%25AA/1262245824?i=1262246869

 

小林セクチー莉奈姉さん、前までは笑顔が良いよねって感じだったんですけど最近セクチーな顔も上手になってきて、男か!?!?!?男なのか!?!?!?!?誰とルミナリエに行ったんだよ莉奈ーーーー!!!!!!!!と発狂していたけど、やっぱり腰の回し方がスーファミばりにカクカクしていたので俺の勝ちです。

“ヴィトン、ブルガリ、グッチ、エルメスティファニープラダ、シャネル、カルティエ 僕が全部買ってあげるからから ああ世界が滅びてしまう”

‎銀杏BOYZの"援助交際"をApple Musicで

 

坂本うさみん夏海ちゃんのお見送りが個人的に最高でした。あみるんの隣で干からびたウーパールーパーみたいな面しながら「アリガトネー」というbot化してて激✩俺が助けるからな夏海·····状態に陥りました。本当はあみるんに両手振りながら「あみるちゃんだー!!!」と叫んだら「あみるちゃんだよーー!!」と言ってもらい気持ちよくなってました。

“歌うのOK ダンスもOK ウサミン ウサミン プロビタミン”

メルヘンデビュー! by ShrimpNoona | Shrimp Noona | Free Listening on SoundCloud

 

貞野神推遥香ちゃんの凄いところは「どうせ最高なんだろうな」と思いながら見ても毎回最高なところなんですよね。みなさん仰ってる通り、歌声もダンスもMCも良いんですよね。はい。特に言いたいことは無いです。あと、さだはるって二推し三推しとかでは見るけど一推しの人って中々見ないよね。

“叶わない夢の中で 咲かせることの出来ない花を育てた”

https://music.apple.com/jp/album/fake-love/1433320547?i=1433321220

 


フロムが「愛するということ」で‪「一人の人をほんとうに愛するとは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛することである。」‬と言っていたの思い出した。これって逆も然りだと思っていて夢は逃げない公演に出演してたメンバー全員を120分の間で愛することが出来たので一番好きな人をアイドルとして愛せたのかなと思いました。2020年も安部若菜ちゃんのオタクとして、NMB48のオタクとしてアガらせて下さい。

“俺のそば一生居てくださいDear my first love”

‎仙人掌の"Darlin' feat. jjj"をApple Musicで

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そんなこんなで夢は逃げない公演を見終わり夢は逃げない最高会議(2人)をするために餃子の王将へ。一緒したオタクがメニューも見ずに「餃子2人前。肉と玉子の炒りつけ。エビチリ。天津飯甘酢で」と唱え始めたのでドン引きした。その後に落選した14日の泉ニンフェット綾乃さんの出演する夢は逃げない公演にセトカスが入ることを知り発狂し始めてマジで怖かった。帰りの京阪電車であーのんにリプライを書いてる時にあーのんからモバメが届いて「ウッ!」って声が出てて泣きそうになった。オタクがキモイのでナンカス中退します!w

Winston

グッドラックヘイワ竹原ピストルの対バンを渋谷のクアトロで見た。グッドラックヘイワとの出会いは星野源オールナイトニッポンだった。グッドラックヘイワのふたりは星野源の前身バンドSAKEROCKのメンバーだった。その縁がありLm(グッドラックヘイワの名盤です。チェックしてない人は今すぐに聞いてください)が発売された時に「風見鶏」という曲をラジオの電波をつたい聞いたのだが、その時の衝撃をいまでも覚えてる。その勢いでインターネットでLmを購入したのだが、時同じく星野源オールナイトニッポンを聞いていた母親も衝撃を受けて購入したらしく同じ日に同じCDが2枚届いて笑ってしまった。ピアノとドラムと口笛だけなのに、どこまでも世界が広がっていて目を閉じるとなんだか浮遊しているようなふわふわとした幸福感に満ち溢れてくる。ちょうど1年ぶりにライブのチケットをゲットすることができクアトロに向かった。

最初に竹原ピストルが出てきたのだが、あまりにも苦手でどうしたら良いかわからなくなった。2曲目に披露した「Live in和歌山」という曲が特に苦手でグッドラックヘイワのことなんてどうでも良いから一刻でもこの場から逃げたいと思ってしまった。和歌山にいる自称精神病の人間に薬漬けでも良いから生きろと励ます歌なのだが、精神病の人間がこの曲を聴いて生きよう!頑張ろう!と思えないだろなぁと感じた。やまない雨はないと言う人の上は晴天で明けない夜はないという人の上に太陽が照っているように彼もスポットライトを浴びて気持ちよさそうに歌い狂っていた。「死にたい」と思っているのに生きるために行うはずの食事をとることは大いなる矛盾なのでは?と思って味のついたものを食べると無条件で吐いてしまうことも、自分の顔が痩せこけていく過程を見るのが嫌で鏡が怖くなり歯を磨けなくなって虫歯になったりアイマスクしてお風呂に入ったこともないんだろうな。薬漬けになってる時点で生きてるのではなく薬に生かされているんだなと絶望したこともないんだろうな。誰かを救うために作った歌なんて下心が丸出しで吐き気がするなんて思わないんだろうな。だから、ギター一本でステージの上で歌うことができるんだろうなと自分の中でグルグル考えてるうちにライブが終わって助かった。

 対してグッドラックヘイワはどこまでも最高だった。グッドミュージックが終わったと思ったらナイスミュージックが始まり、それを最初から最後まで続けて行った感じです。俺が何を言ってるかわかるか?竹原ピストルを見て生きようなんて思えなかったけれどグッドラックヘイワの音楽を聞いてるとどこまでも生きてやろうと強く思えた。こんなに素晴らしい音楽がある世界にならもう少し居ても良いな。この人たちが作る音楽をもう少しでも聞いていたいな。と少し泣きそうになりながら音にノリ続けた。

 

‎グッドラックヘイワの「Lm」をApple Musicで

 

部屋にデカいぬいぐるみがある生活に憧れている。部屋に入った瞬間に可愛いぬいぐるみがいたらどんなに素晴らしいだろうか。筆舌に尽くせないほどにぬいぐるみのある生活が羨ましい。と、サークルの先輩に話したらじゃあ、一緒に買いに行こうと誘われたのでノコノコ一緒に行くことにした。私はタキシードサムを、先輩はぽちゃっこが欲しいとのことなのでサンリオショップに行くことに決めた。

 この先輩とは前に一緒に寿司を食べに行ったことがある。わたしは筋金入りの童貞で、異性にも同性にも何か(例えば映画に行こうとか喫茶店でコーヒーを飲もう)とか言われると、その裏の裏の裏の裏のことまで読み取って「コイツ、俺のことが好きなのか?」と錯覚できる特殊能力がある。ドキドキしながら寿司を食べに行った。それなりに話も弾んで寿司も美味しい。最後に茶碗蒸しをふたりで頼んだところ、いますぐ用意できるのがひとつしかないと言われた。後輩らしく譲ろうとしたら、「じゃあ一緒に食べようか」なんてはにかみながら言ってきて、その自然な優しさの裏から踏んできた場数の違いが垣間見えてなんだか悲しい気持ちになった。お会計は4000円くらいだったので2000円出そうと財布を取り出したら「後輩からお金は取れないよ」なんて言って奢ってもらった。ここで、私が食い下がってもなんかカッコつけてる感じが出そうでありがたくご馳走になった。そこで初めて“異性”ではなく“後輩”として呼ばれたことに気づいた。明確な線を引いて接してくれる人は安心できる。“別の世界では2人は姉弟だったのかもね”なんて口ずさみながら池袋の夜の街を歩いた。

 

そんな先輩と今回は有楽町で集合した。サンリオワールド銀座店にふたりで赴いた。歯医者の関係で30分くらい遅刻するなんて言われたけど、あだち充の大傑作 H2の中の大名言「待ってる時間もデートの内でしょ。デートの時間は、長い方が良いもん。」が頭をよぎり無駄にソワソワしてしまった。

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15:30、有楽町で落ち合いサンリオワールド銀座店に向かった。が、完全に店のチョイスを間違えた。Googleはここのサンリオワールドがデカいと教えてくれたが、銀座の街の特性上ぬいぐるみを買うような客は来ない。そのため、そもそものぬいぐるみの絶対量が少なくサンリオの中でもレギュラーにするほどでは無いけど主力とは言えない一時期の関本賢太郎のポジションにいるためタキシードサムのぬいぐるみは一体もなかった(もちろんぽちゃっこも)。何も買わないのは癪なのでタキシードサムの前髪クリップだけ買った。ちょっとだけ後悔してる。 その後、一緒にカレーを食べてマネケンのワッフルを食べて有楽町をちょろちょろ散歩した。先輩はやたらと有楽町の街の雰囲気や建物が好きだと言っていたがわたしの目にはただの街にしか見えず、伸ばさなくても触れることの出来る距離にいるのに先輩の生きる世界とわたしの生きる世界が全然違うようで、ふたりの距離がすごく遠く感じた。その遠さがどうにも居心地が良くて辛い。最後に煙草吸ったら帰ろうかなんて言い出して喫煙所を求めて彷徨う。煙草なんて吸わないくせに必死になって探しちゃうから「深い意味はないけど、イヌみたいだよね」なんて言われちゃうんだろうな。狭い喫煙所は貸し切りだった。煙草の銘柄はWinston。「フレシノが吸ってた煙草ですね。」「そうなんだ」「鎮座と一緒にやった曲のタイトルがWinstonなんですよ」「へー」

 

自分の着ている服がヤニ臭いと、ひとりではない気になって安心する。煙草を吸う友達に会いたくなってきた。

I love you and,You love the sea.

バイトが終わり帰路につく。23時。と半分。最寄り駅に到着。家まで歩いて帰る。国道から一本逸れた道に入ると女性4人組が歩いていた。明らかな千鳥足の女性とそれを肩で支え歩く女性。そんなふたりを1歩引いたところから眺めてる女性二人。その4人を包み込む街灯はまるでスポットライトのように彼女たちを映えさせた。とても美しい光景であると同時に私が千鳥足で歩いてる時に馬鹿だなと笑いながら肩を貸してくれる友達のことを思い浮かべてみた。思い浮かべてみようとした。思い浮かばなかった。これがわたしの19年間だ。

 


京都に行った。はじめて吐くまで飲んだ。はじめて路上で爆睡した。はじめて食べた天下一品の味を一切覚えていない。バニラアイスを食べると良いよ教えてもらい自販機でクーリッシュを買った。買ったのか奢ってもらったのかは定かじゃない。河原町から友達の家まで鴨川沿いをひたすら北上した。鴨川の風は火照ったからだにちょうど良く、真夏のソフトクリームのようにゆっくりと溶けてしまいそうになった。ふわふわとしてふらふら歩くわたしを心配に思ったのか友達はわたしと肩を組んだ。忘れてた体温の暖かさ。どうしようもなく嬉しくて泣くのをこらえるためにC.O.S.A×KID FRESINOのLOVEを流して歌った。 見渡すと信頼できる人たちが少しずつ増えてきてる事実。こんなにも明るい夜があるんだと笑顔が止まらなかった。肩を貸してくれるフレンズにグッドミュージックにナイスリバー。ナイスリバーはダサい。肩を貸してくれた友達は現在進行形でオタクをしていて、普通に歩いていた友達はオタクをやめて鴨川の橋の下で彼女にフェラチオされたことがあるとんだFAKE野郎。気づけなかったもの拾い集める今  スローに追いかける背中は仲間。

 

たりないふたりのライブビューイングを見た。見てよかった、楽しかったと思う気持ちと同じくらいの厚さで見なければよかったという気持ちがこころの中を占めていた。ソニーの38マイクを真ん中におき縦横無尽に笑いを取る姿を見て、あぁ、もう無理なんだなと思った。同伴者はあと20年であのふたりに追いつけるのか、あんなカッコイイ40歳になれるのか不安だと嘆いていた。一生無理だと思う。カッコイイ人間は、きっと生まれた瞬間からカッコイイ。この世の何もわからずに泣き叫んでる時からカッコイイ。ダサい人間は生まれた瞬間からダサい。ダサい人間である私は死ぬ瞬間までずっとダサい。幾多の嘘をついてきた口でほんとうのことばを喋り、人々の心を揺れ動かせることができるのはある種のカリスマ性がある。これは努力で獲得出来る能力ではない。

人間はみんながみんな心に“たりない”を抱えている。若い人には若い人の、中年には中年の、老人には老人の、おとこにはおとこの、おんなにはおんなの、ヘテロにも、レズにも、バイにも、ゲイにも、トランスジェンダーにも、クエスチョニングにも、“たりない”はあり、日々格闘している。わたしは自分の“たりない”を克服するための努力してまでこの世界で生き抜こうと思えない。いつもこころのどこかで死んでしまいと思っている。テレビの電源をリモコンで消すみたいにボタンひとつでブラックアウトできたらどんなに楽だろうと思っている。同伴者は漫画の主人公みたいな面をしながら友達が少なく一人減るのは嫌だからもし自殺しようとしていたら全力で止めるけどね。と言ってきた。この人にはどうして人の死を止めるほどの力が自分の中にあると思っているのだろうかと、わたしは心底不思議な気持ちになった。彼が軽んじているのかわたしが重んじているのかはわからない。

 

阿佐ヶ谷のRojiでEMCの江本祐介とシャムキャッツの夏目知幸のトークイベント「你好上海!」に行った。19時オープン20時スタートなのに17時半に阿佐ヶ谷に着いた。駅前のパン屋でカレーパンを購入しファミリーマートでホットコーヒーを。近くの公園を探すと阿佐ヶ谷中央公園という立派な公園があることを知り目指すことに。道中、寺の前にベンチがポツリとふたつありその後ろに竹が生えてる空間を見つけて、わざわざ公園まで行くのも面倒になったので、そこで妥協することに。ファミリーマートのコーヒーはただひたすらに苦い黒汁で深みもうま味も何も無い。ただ、苦いだけ。そんな無機質で機械的なコーヒーを飲みたくなる時がある。カレーパンは可もなく不可もないコーヒー。隣のベンチでカップルがイチャついている。自分の好きな人が自分のことを好きなんて恐ろしい現象を受け入れられるのはどういう気持ちなんだろうな。冬の真似をした秋風が竹を揺らしていた。19時をすぎてRojiの階段を上がると夏目さんの笑い声が聞こえて怖くなって商店街のようなとこにあった古本屋に入った。いつまで、人と喋ることが怖いんだろう。古本屋で「自殺の美学」と名のつく本を見つけ、手に取ると文豪たちの自殺について書いてあるらしい。1200円。少し迷って本棚に戻した。19時半、もう一度Rojiに行くと夏目さんだけでなく女性の笑い声も聞こえた。一呼吸し、入店。チケット代とドリンク代の2000円を払い。一番後ろの一番端の角席を取る。グレープフルーツジュースがやけに美味しい。江本さんは空気階段のTシャツを着ている。どこで買ったのかすごく気になる。Enjoy Music Clubが中国限定で発売したCDを見つけ即購入。わくわく。大学図書館で借りた「ぼくがスカートをはく日」を読み進める。今のところ非常に良い感じだ。イベントの内容は本当に最高だった。最近、沈んでた心が徐々に浮き上がってくる感じが自分の笑い声でわかった。自分が心の浮き沈みが激しい人間だと知っているので、沈んだ時の対処法はわかってる。沈んでる原因を自分から遠ざけて違う娯楽に逃げる。今日のイベントは逃げ場所に相応しかったとすごく思った。江本さんが久しぶりにSMAPが出演してるSoftbankのCMを見て泣きそうになったと言っていたのがすごくわかるなぁと感じた。終演後、EMCのCがワンタンを食っていた。買ったCDにサインして貰おうと思って筆箱からマッキーを取りだし、ポケットに忍ばせたのに忍ばせたままで終わってしまった。なんでこんなにも誰かと話すのが怖くなってしまったのだろう。そんなの決まってる。自分が馬鹿なことに気づいたからだ。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読むまで“ハーフ”が気持ちの良い言葉ではないことに気づかなかった。確かに半分だけで○○人でもう半分は○○人なんて表現が失礼ではないわけがない。とてつもない阿呆な上に人並み以上に努力をしてるわけでもないから、正しい表現、正しくない表現がイマイチわからない。誰かを傷つけずに生きていくなんて無理だし理想を語っていることをわかってる。でも、知らないうちに傷つけてしまうくらいなら誰とも話さずに観葉植物のように意味もない存在になってしまいたいと強く願う。

 

 

 

音楽は最近、Kanye Westの「The college dropout」とVampire weekendの「Modern Vampire of the City」ばかりを聞いてる。日本語詞の曲を聴いてると歌詞の内容がわかりすぎて煩わしく感じてしまいここ一週間くらいで聞くのが苦痛になってきた。幸い英語は抜群に苦手なので英語詞の曲は歌詞の内容が全くわからないから気持ちよく聞くことができる(幸いなのか?)それでもやはり耳は慣れてくるのでぼんやりと何と言ってるかはわかってくる曲もある。“”I love you and,you love the sea“” ここだけで綺麗な詞だってわかるし、この状況がすごく羨ましい。好きな人の本当に好きな物が何かを知ってるってすごく幸せなことだと思う。私はあの海辺よりも甘いチョコよりも好きな人の星空よりも赤いワインよりも好きな物を知らない。わたしの好きな人はいちばん大事なものを胸の奥に隠して即席で作ったクリスピードーナツよりも甘く優しい嘘をプレゼントしてくれる。「自分の愛が愛を生まないようなものだったら、また、愛する者としての生の表出によっても、愛される人間になれなかったとしたら、その愛は無力であり不幸である」これはフロムからの引用。前は無力でも不幸でも好きなんだから仕方が無いと思えたけど、あの時は無力で不幸なことを続ける辛さを知らなかった。街を彩っていた真っ赤な彼岸花は枯れていた。

 

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ずいぶん変化してきた生活

8月、サークルの合宿で修善寺に行った。先輩の曾祖母の家があり今は誰も使っていないらしい。期待が3割、恐怖が7割の状態でハイエースに乗り込んだ。男2人、女7人。名前のわかる先輩2人、名前のわからない先輩6人。同級生0人、先輩8人。期待が2割、恐怖が8割。運転してくれる先輩がハイエースの車体の大きさになれず首都高で煽られた。期待が1.5割、恐怖が8割、諦めが0.5割。

 1日目の夜。居間と客間を仕切っていた襖を外し、そこにあるだけの布団を敷いて雑魚寝するシステム。いちばん端を死守。寝返りを打って目を開けた先にいるのは寝顔の女性。薄い眉毛、朱色の唇、口から逃げていく二酸化炭素。死んだように綺麗に眠っていて、そのどれかひとつでも欠けてしまったら本当に死んでしまいそうで怖かった。もう一度、最小限の動きで寝返りを打って反対側の闇を眺めた。先輩達がしりとりをしていた。カッコイイ片仮名単語と縛りをつけてしりとりをしていた。カッコいいかカッコよくないかの判断は先輩たちの主観らしい。基準が曖昧なので「ドムドムバーガー」がカッコいいかカッコよくないかで揉めていた。「ドムドムバーガー」はカッコイイに決まっている。

深夜4時。ようやく全員が眠った。誰かがいびきをかいている。私は玄関から自分の靴を持ってきて裏口から外に出て散歩を始めた。半袖短パンでは耐えきれない寒さで鼻水がずっと垂れていた。

家の目の前には修善寺川という一級河川が流れていた。私の家の近くには川がないため近所に川がある環境がとても新鮮で、水の流れる音が雨がコンクリートに打ち付けられる音と似ていることをこの時に学んだ。川上に向かって歩いていると、すごく知ってる、感覚的にわかる音がした。竹林の音。竹が風にゆらされてぶつかり合う音を聞いて好きな人の好きな花の香りを浴びた時のように心の奥底からじんわりと暖かくなった。 この合宿で辛くなった時に備えていつでも竹林の音を聞けるように録音しておこうと思ってiPhoneで録音をしたけれど、安心できる音を録ることが出来なくて諦めた。自分の安心できるものが発達したiPhoneでも残せないものだと知って少しだけ嬉しくなった。

 帰り道、イヌを散歩してる老人に遭遇した。人の声を聞きたくなって「こんばんは」と挨拶した。老人は標準装備の笑顔を作って「おはようございます」と返してきた。私にとっての深夜が老人にとっての早朝になり、同じ時間を過ごしているのに違う時間を過ごしているようで無性にワクワクした。パラレルワールドに来てしまったみたいだと。

 

次の日、海に出かけた。とても綺麗だと言われている下田の海を目指した。WINDING ROADばりに曲がりくねった道を行き続け2時間ほどで到着した。夕陽が海に沈む所が綺麗に見えると言われて向かった下田の海は霧雨が降っていて夕陽どころではなかった。水着に着替えるわけでもなくズボンの裾をめくって軽く海の中に入った。想像以上でも以下でもなくちょうど冷たい海だった。先輩の中のひとりがぼーっと海を眺めいた。水平線の奥を見つめるような真っ直ぐな眼差しと半開きの口のアンバランスさが惹かれてしまい何も言わずに写真を撮った。シャッター音で気づいた先輩は僕に向かって笑顔でピースをした。訂正します。僕のiPhoneに向かって笑顔でピースをした。これが正解。ボタンを押してシャッター切った。

 衝動的に砂浜にLOVEと書きたくなった。足の親指を使ってLとOを書いたところで波に流され私のLOVEは消えてしまった。何も無かったことにされてしまった砂浜を見たら、洗濯機が洗濯をするためだけに生まれてくるように私は砂浜にLOVEと書くためだけに生まれてきたのではなかろうかと強烈な使命感に駆られて、急いでLOVEと書いた。書いたものの特にこころが揺れることはなく直ぐに波に流されてしまった。何がしたかったんだろうと周りを見渡すと水を掛け合ってたり砂山のトンネルを開通させようと必死になってる先輩たちがいて、もし高校生の時にちゃんと勉強して友達を作って恋愛なんかして修学旅行に行ってたらこんな風に砂浜で遊べたのかな。なんて、あるはずもない世界の私のことを想像した。誰もいない教室でチャイムと同時に渡された課題を無視して読書するようなことにはなってなかったのかなと思った。あの時読んだ江國香織の東京タワーは今でも大切に本棚に隠してある。楽しいが7割、悲しいが2割、後悔が1割。

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「特別の目的をもたずに、気の向くままに歩くこと」

ドアをこっそり開けると雨の匂いがした。雨を浴びたアスファルトから生まれるむせ返るような匂いではなくもう少し優しかった。夏の夜はとても優しい。ノイローゼになりそうな蝉時雨もおさまり、声の高い蝉が寂しそうにこっそりと鳴く。子供の頃は蝉が夜中にも鳴くなんて知らなかった。このことに気づけた私は大人に一歩近づけたと思う。右足が地面に着く度にポケットの中の2枚の百円玉が音をたてる。ちゃりんちゃりん。と。蝉に対抗してる気がして心が弾んだ。

 


好きな人は朝に散歩するのが好きだと言ってた。私は夜に散歩するのが好きだ。このちょっとの違いが私をわくわくさせる。朝日を浴びて一日を始める彼女と月光を浴びて一日を終える私。一緒だとつまらないし違いすぎると切ない。ちょっと違うくらいがちょうど良い。こうやってまたこじつける。

 


散歩の意味を調べてみた。みんながやるやつ。そもそも辞書で調べてみると…なんて白々しく言うやつ。すごく冷めるやつ。

散歩は「特別の目的をもたずに、気の向くままに歩くこと(大辞林第三版)」らしい。今日の私には目的がある。コンビニに着いた。82円切手とコーヒーを買いにきた。アイスコーヒーにしようかと思ったけどホットコーヒーにした。ぬくもりが欲しかった。100円で買えるぬくもり。唯一知ってるぬくもり。ホットコーヒーで体を温めることをぬくもりなんて言わないことは知ってる。偽物でも良いからぬくもり、またはぬくもりに近いものが欲しかった。あいにく錯覚は得意技だ。ホットコーヒーをぬくもりだと誤認識するくらい朝飯前。ホットコーヒーのSと82円切手をくださいと言った。ホットコーヒーのレギュラーと82円切手ですね。と言われた。200円を渡し18円のお釣りが生まれた。18円の親になった。レシートは要りませんと伝えた。そちらにゴミ箱があるのでもしよろしければ自分で捨ててください。と言われた。自分で捨てた。ホットコーヒーを淹れ終わるのを待つ間に82円切手の裏側をひと舐めして手紙に貼り付けた。舐めることを許された数少ないもの。アイスクリームと切手の裏側。左手にコーヒー、右手に手紙を持ち店内を後にした。ポストに手紙を投函する。絶対に返信のこない手紙を書くのは辛い。ことばを形にしたかった。あなたのことが好きだという気持ちを形にしたかった。我ながら重いと思う。でも、こんなやり方しか知らないから許して欲しい。あなたを好きでいることを許して欲しい。

 


こどものころは夜の空は真っ暗だと思っていた。夜空なんかよりもコーヒーの方が真っ暗闇ということは知りたくなかった。雲もはっきりと白い。ピカっと光った。雷。雷なのにどれだけ待っても音がしない。検索。すごく遠いか落雷をしてないかのどちらからしい。へぇ~。